陸の男と海の華 完結編
深い深い海の底にあります『海の御殿』・・・。其処へ向かって一匹の銀色の魚が、悲しそうに漂っておりました・・・。
剣心様は、縁のことを確かに、『魚』と呼びました。その言葉はまるで、海の世界の住人と、陸の世界の自分とは全く違うものなのだと、縁に言っているようでございました。
「・・・剣心様・・・」
こうなってしまうことは、自分も覚悟していたことです。
現実を受け入れなければ・・・解っていましたけれど、そう思うには縁は余りにも長い間、剣心様のお傍に居過ぎてしまったのでした・・・。
「縁様―――!縁様――――っ!!!」
「ナンだ!?騒々しい!!」
海の御殿へ帰るなり、海の兵士の一人が縁の元へ駆け込んでまいりました。見れば、兄の姿もありません。
「結界がっ!!・・・結界が破れて・・・そこから海蛇どもが攻め込んでおりますっ!!!」
「何・・・!?」
「蒼紫様が兵を連れて応戦に向かわれました!私は・・・国の者達を避難させるようにと・・・」
漂うだけで何の力も持たぬ、海月やウツボと違い、同じ海の外道でも、海蛇達は鋭い牙や爪を持ち、呪術の使える者も中にはいるのです。
王の居ない間に、もしも結界が破れたら・・・恐れていた最悪の事態が起こってしまいました。
「オレのせいダ・・・」
自分がつまらぬ意地を張らず、薫様を早く即位させていれば、こんなことにはならなかったのかも知れないのに・・・
剣心様が海の世界を離れる前まで、その場所は、海の王が様々な神事を行う場所でした。海の世界のために祈り、結界を張る神聖な場所だったのです・・・。
縁はそこに立つ剣心様を見るのが大好きでした。力をお使いになる時の剣心様は、金色の光に包まれ、辺りには花びらが舞い、それはそれは美しかったのです。
でも、その場所も今は、敵の襲来により祭壇は破壊され、剣心様が丹精込めて育てた花々達も海蛇どもに踏み荒らされて、見る影も無い有様でございました。
「兄サン!!」
「・・・縁!?帰ったか・・・?」
海の御殿の兵士達を連れて応戦していた蒼紫でしたが、こちらの兵は二・三百程であるのに対し、敵は雑魚も含めて一千以上・・・圧倒的な数の差に、どの兵も皆、満身創痍の状態でした。
「遅くなってスミマセン・・・オレも戦いマス!!」
縁が腰の鞘から剣を抜くと、凄まじい轟音と共に海が荒れ始めました。その余りの力に、敵の雑魚どもが怯み始めます。
「お前ぇらあ!!うろたえるんじゃねえ!!・・・どんだけコイツが強かろうと、所詮海の王は居ねえんだ!!!この勝負は俺達の勝ちに決まってんだ!!!」
敵の大将なのでしょうか?縁よりも倍以上大きな海蛇が、雑魚どもに向かって醜い怒鳴り声を上げました。確かに、縁がどれだけ強かろうと、多勢に無勢。縁の不利は目に見えております。
「そう思うナラ・・・お前から先に掛かって来イ・・・」
縁の深い緑色をした両の眼が、だんだんと血のように赤い色に染まっていきました。相手の全てを滅ぼそうとする殺気を帯びた眼の色に・・・。
「う・・・うるせえ!!お前ぇから先に始末してやらあああ―――っ!!!」
海蛇の大将が飛び掛ってくるのと同時に、縁は右手に刀を振り翳し、左手で印をを結び、自らの刀に術を掛けていきました。
「死ねエ―――――――っ!!!」
海蛇の牙が縁の鎧に触れた瞬間・・・縁は無言で刀を振り下ろしました。すると、大きな海蛇の身体は、まるで砂が風で飛んでいくように粉々に砕けて無くなってしまったのでございます。
「うわああああああ〜〜〜〜〜!!!!」
自分達の大将の無残な最期を目の前で見せ付けられた雑魚たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていきました。
「よくやったな!!縁!!」
敵を蹴散らし、危機回避したように思われましたが、縁の表情は何故か硬いままです。
「兄サン・・・おかしいデス・・・あいつの姿がナイ!!!」
「・・・・・黒蛇か!?」
身体の大きさと力だけが自慢の先程の海蛇とは違い、黒蛇はどんな卑怯な手も平気で使う、狡賢い輩でした。しかも、術を使うことにも長けており、『もっとも危険な海蛇』として、海の住人から恐れられていたのです。
「探せ!!!奴を始末せねば、この戦いは意味が無い!!!」
「『奴』・・・とは、私のことですかな?・・・」
不気味な高い声の先には、上半身は人の姿をし下半身は黒い海蛇の姿をした痩身の化物が立っておりました。
「黒蛇!!貴様!!!」
蒼紫も縁も刀を構え、黒蛇に斬りかかろうとしました・・・が、
「か・・・薫様!?・・・」
黒蛇の後には、術をかけられ、気を失った薫様が捕らえられていたのです。
「さて・・・海の兵士達よ・・・私が何を言いたいのか・・・お解かりですな?・・・」
喉元で低く笑いながら、黒蛇の鋭い爪が薫様の顔に当てられました・・・そのまま爪を引き下ろせば、薫様の顔には永久に消えない黒蛇の呪いが残ります・・・。 縁たちは・・・苦々しく思いながらも、全員武器を捨てる他ありませんでした。
「物分りの良い方たちばかりで・・・」
「薫を放しなさい・・・黒蛇」
黒蛇が最後まで言い切らぬうちに、海の兵士達から歓喜の声が上がりました。
「・・・・剣心様だ!!!!」
「海の王が戻られた!!!」
「おのれ・・・!!」
「『海の華』が黒く染まったので気になって帰ってみれば・・・相変わらず汚い真似をしているのですね・・・お前は・・・」
「五月蠅いぃ!!そ・・・それ以上近付いてみろ!!こ・・・この女の顔に傷がつくぞ!!!」
剣心様の冷たい眼差しと威圧感・・・薫様を人質に形勢の逆転を謀ろうとしていた黒蛇は、がたがたと恐怖に震えておりました。
「愚かなことを・・・お前はまだ、己が身の異変に気付きませんか・・・?」
「・・・・・ぎゃああああ〜〜〜〜わ・・・私の身体がああああ〜〜〜!!!!」
黒蛇の身体は爪も鱗も抜け落ち、醜い赤茶けた皮が全身を覆い尽くそうとしておりました。
「お前のような輩に術など使う資格はありません・・・その姿のまま、永久に海を彷徨っておいでなさい」
「わ・・・私が・・・この私がウツボなどに・・・おのれ!!!許さんぞ、海の王よ!・・・呪ってやる・・・私に残された最後の力で、必ずお前を呪ってやるわ!!!!」
絶叫と共に、ウツボとなった黒蛇は、暗い海の辺境へと封印されたのでございます・・・。
戦は、海の都の大勝利に終わりました。しかし剣心様は、その場に居た海の兵士や薫様に、自分が帰ってきたことは決して誰にも言わぬよう、固く口止めをしておいででした。
「剣心様、どうして皆に剣心様のコトを口止めせねばならないのデス?」
縁には、剣心様の御考えは解かりかねるのでしょう。やはり、剣心様は海の世界が恋しくて戻ってこられたのだと、信じていたのです。
「国の者達に、私が帰ってきたと、要らぬ期待をさせない為ですよ・・・」
縁は不思議そうに首を傾げました。
「縁・・・これからは、薫が私の代わりに海の王となって、国を守るのです・・・」
「じゃあ・・・剣心様は・・・マサカ!?・・・」
「私はもう・・・左之助のものなのです・・・海の王ではないのです・・・解かりますね?縁・・・」
「・・・もう・・・帰って来ナイおつもりデスカ?・・・」
剣心様は眼を閉じたまま・・・俯いてしまわれました。
「どうして・・・どうしてなのデス!?剣心様!!人間になったって、何にモ良い事なんて無いでショウ!?力の使えナイ人間など、いつかは老いて死んでいくダケの生き物なのデスよ!!??」
縁は涙ぐみながら、剣心様の両腕を掴んでおりました。
永遠の若さと命を持つ海の住人にとって、限りある命の人間など、縁起の悪い、忌むべき存在でしかないのです。
「縁・・・許してください・・・私は自分の気持ちを自分でも抑え切れないのです・・・左之助の傍に居られないのなら・・・私は生きているとは言えないの・・・」
「剣心様!!!」
縁の目の前には、はらはらと泣く剣心様の御顔がありました。縁は剣心様の泣き顔など、今まで一度も見たことはありませんでしたのに・・・。
「縁・・・・御免ね・・・縁・・・」
力一杯掴んでいた剣心様の両腕を、縁はほんの少し緩めました。
「縁・・・?」
不安そうな剣心様の濡れた瞳が、じっと縁を映しています。
縁は、剣心様の紅い唇に、そっと自分の唇を重ねました。何百年もずっと、思い続けてきた剣心様の唇は、温かく、柔らかで・・・縁は涙が溢れそうでございました・・・。
翌日・・・薫様の即位の儀が静かに執り行われました。国の者達に知られぬよう・・・ひっそりと・・・。
薫様の頭に金の冠を被せ・・・そして、剣心様は海の王の力を全て薫様に明け渡し・・・儀式は終わりました
「薫・・・これでお前は新しい海の王です・・・」
「・・・兄様・・・」
「蒼紫・・・縁・・・薫を頼みましたよ・・・」
「はい、剣心様・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
こうして・・・剣心様は陸の世界へと・・・再び旅立ってしまわれたのでございます・・・。
黒蛇の呪いが掛かっているとも知らずに・・・・・。
陸の家へ戻った剣心様は、村人達に気付かれぬよう己の身体に術をかけ、残された力を全て、海へ返してしまいました。自分は人間の姿のまま、左之助と共に生きて行くのです・・・。
「さあ、早く晩御飯の支度をしないと・・・」
もうすぐ左之助がお腹をすかせて帰ってくるころです。自分が海の世界へ帰っていたことで、左之助はとても不安な思いをしたことでしょう・・・。剣心様は左之助の好物ばかりを作って待っていることに決めていたのでした。
「剣さん?帰ってるのかい?」
釜に火をつけ御飯を炊いて居ると、隣のおかみさんが、左之助の家から物音がするのに気付いたのか、とんとん、と引き戸を叩く音がしました。
「はーい、今開けます」
立て付けの悪い戸をがたがたゆらしながら開け、剣心様はそっと顔を出しました。
「おかみさん・・・昨日は留守を任せてしまって・・・」
――――すみません、と続けようとした剣心様でしたが、おかみさんは目を見開き、顔を蒼白にしながら、腰を抜かして座り込んでおりました。
「おかみさん・・・?」
「・・・だ・・・だ・・・大蛇だ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
おかみさんは村中に響くような声で叫びながら、剣心様から必死にあとずさって逃げようとしています。
「誰か!!・・・・誰か来ておくれ〜〜〜!!!左之さんの家に大蛇が居るんだよ!!!!」
「うわああああああ〜〜〜〜〜!!!!!」
「大蛇だああああ〜〜〜っ!!!!」
剣心様の姿を見た村人達は皆、悲鳴を上げて逃げ惑っています。
「そんな・・・・私が大蛇になど・・・」
剣心様は急いで家に入り、自分の姿を瓶の水に映しましたが、そこには、一枚の鱗もない、美しい剣心様のお姿が映し出されておりました。
「・・・?・・・これは・・・」
剣心様がふと見ると、左胸の部分に赤い痣が付いておりました。その痣は見る見る広がったかと思うと、剣心様の御姿は、禍々しい、紅い大蛇へと変わってしまったのです。
剣心様の耳に、あの黒い海蛇の叫び声が聞こえました。
『必ずお前を呪ってやるわ!!!』
「・・・いや・・・・・いやあああああ〜〜〜〜!!!!」
「左之助・・・左之助え・・・・!!」
剣心様は愛しい男を呼びながら、慟哭することしか出来ませんでした。どんなにもがいても、陸の世界にいる限り、自分は紅い大蛇でしかないのです・・・。
「左之さんに知らせとくれ!!きっと剣さんはあいつに喰われちまったに違いないんだよ!!!」
「・・・左之助が・・・来る?・・・」
こんなおぞましい姿になった自分を・・・もしも左之助に見られたら・・・左之助も他の村人達と同じように自分を見て脅えるのかもしれない・・・。
「いや・・・・こんな姿・・・左之助に見られたくない・・・」
剣心様は家を飛び出しました。左之助の来ないうちに、出来るだけ遠くへ逃げなくてはなりません。
「いたぞ!!あの大蛇だ!!!」
「剣さんを喰った大蛇だ!!」
「殺せ!今度はオレたちが喰われちまうぞ!!」
あんなに優しかった村人達が、弓や斧を持ち、剣心様を追いかけて来ます。
「きゃあっ!!!」
村人の一人が放った弓矢が、剣心様の右足を掠り、傷から血が噴出しました。剣心様は声を上げぬよう、痛みをこらえ、転がり込むようにして深い藪の中へと身を隠したのでございます。
「左之助・・・左之助・・・」
剣心様は、激しい痛みに暴れだしそうになるのを、左之助の名を呼び続けることで必死に堪えておりました。
こんな姿の自分を見られたくない・・・でも、逢いたい・・・。
「左之助・・・」
剣心様の呟きと同時に、藪を掻き分ける音がして、目の前に現れたのは愛しい左之助でございました。その手には、大蛇を仕留める為の物でしょうか、大きな銛を握り締めて・・・。
「お前ぇか・・・オレの剣心を喰いやがった大蛇は・・・」
左之助は怒りに満ちた表情で、剣心様に向かって銛を構えます。きっと、村人達の自分が大蛇に喰われた、という話を信じきっているのでしょう・・・。剣心様の足は、傷の痛みからか、少しも動いてはくれません。元の姿に戻ろうにも、剣心様は残された自分の力を全て、海へ返してしまっていたのです。
「左之助・・・」
大蛇の姿をした剣心様は、脅える瞳で左之助を見詰めておりました。
「・・・・・・?」
左之助は、そのまま銛を突き刺してくるかと思われましたが、剣心様の瞳をじっと見詰めると、戸惑いを露にした表情をしながら構えていた銛をそっと降ろしてしまいました。
「お前・・・・・剣心か?・・・」
剣心様は驚愕しました。どうして左之助は、大蛇になってしまった自分が解かるのでしょう?・・・・。
「剣心・・・なんだろ?・・・・」
左之助は銛を放り捨てると、剣心様に近付いてきました。そして大蛇の姿をした剣心様の身体を抱き締めて、紅い鱗に口付けをしたのです。
『左之助・・・私が・・・解るの?・・・』
左之助の耳に、剣心様の弱弱しい声が聴こえたような気がしました。
「オレがお前ぇのこと・・・解らないはずねえだろ?・・・どんな姿になったってお前ぇはお前ぇさ・・・眼ぇ見れば分かる。」
「・・・剣心・・・だな?」
確信を持って訊ねる左之助の身体に、紅い大蛇がほんの少し擦り寄るのが解りました。
「ああ・・・剣心・・・辛い思いさせちまったなあ・・・」
弓矢が掠り血の流れる剣心様の傷口を布で押さえ、左之助はこれからどうすればよいかを考えておりました。
村人達の頭は今、大蛇を殺すことで一杯のはずです。今更、この大蛇が剣心様だ、と言った所で誰が信じてくれるでしょう?しかし、このままでは、村人達に見付かるのも時間の問題なのです。
「どうすりゃ良いんだよ・・・そうだ!コイツを使えば・・・」
左之助は着物の袖に入れておいた『海の華』のことを思い出しました。持ち主の言う事は何でも叶える海の宝・・・。
「おい、剣心の傷を治してやってくれ!」
左之助が自分の手の中で輝く石に願うと、剣心様の傷は綺麗に塞がり、跡形もなく消えてしまったのです。
「よーし、良いぞ・・・今度は剣心だ・・・剣心の姿を元に・・・」
「いたぞ、いたぞー!!!あそこだ!!!」
「大蛇が左之さんを襲ってるぞ!!」
「ちいっ・・・」
もう少しで元に戻れたのに・・・。恐ろしい形相をした村人達に、二人は追い着かれてしまったのです。
「逃げるぞ!」
左之助と、大蛇の姿のままの剣心様は、深い森の中を逃げていきました。後から松明を持った村人達が追いかけてくる叫び声を聞きながら・・・。
「剣心、森が開けてきたぜ!!」
必死に逃げてきた二人の目の前に見えたものは、断崖絶壁の暗い海でございました・・・。二人の後ろからは村人達の声がします。きっと手分けして二人のことを探しているのでしょう。
「もう、逃げられねえ・・・今の内に・・・元に戻るんだ・・・」
左之助が海の華に願うと、剣心様の身体が輝き、大蛇の姿をした剣心様は、もとの美しい人の姿に戻ったのでございます。
「・・・やった・・・やったぜ!!剣心!!!」
喜ぶ左之助とは正反対に、剣心様の表情は暗く沈んでおりました・・・。
「だめ・・・左之助・・・鱗が・・・」
剣心様の身体に付いた痣が広がり、その身体をまた、赤い鱗が覆い始めたのです・・・。
「呪いが・・・解けない・・・」
「・・・どうしてなんだよ!!!・・・どうしてお前ぇが呪われなくちゃならねえんだ!!」
身体の半分以上を鱗に覆われ、かろうじて人の姿を留めている剣心様を、左之助は力一杯抱き締めました。
「ああ・・・左之助・・・やはり私たちは・・・添い遂げられぬ運命だったのですね・・・」
剣心様は諦めたようにポツリと仰いました。自分は陸に上がれば、呪いのために人の姿を留められない・・・でも、左之助は・・・
「一度、海の御殿を出て行った人間は、海の住人にならない限り、二度と海の世界へは入れねえ・・・お前ぇ、前にそう言ってたな。」
剣心様は小さく頷きました。もう、頬の辺りにも蛇の鱗が浮かび始めています。
「剣心・・・オレを海へ連れて行け・・・」
「・・・左之助!?」
「もう、オレにはお前ぇ以上に大事なモンは何もねえ!・・・お前ぇと一緒にいられねえのは、身ィ斬られるより辛ぇんだ!!」
剣心様は左之助の告白に、胸が震えるのが自分でも解りました。自分は左之助のこの言葉を、どれ程待ちわびていたことでしょう・・・。
「左之助・・・本当に?・・・」
「ああ!」
「失敗すれば、二人とも死ぬかもしれないのですよ?・・・それでも・・・」
「言っただろ!お前ぇと居られないのは、死んでんのと同じなんだって・・・!」
「・・・左之助!・・・」
剣心様と左之助は、強く抱き合ったまま、口付けを交わしておりました。剣心様の足が蛇になり、花の顔(かんばせ)が鱗に覆われても、決して二人は離れずに・・・。
そして・・・
大蛇を探して山を歩いていた数人の村人が、崖の上から落ちていく、左之助と赤い大蛇の姿を見たのでございます・・・。
左之助と剣心様がその後どうなったのかは・・・ここではお話しないで置きましょう。
ただ、左之助は『海の華』の主だったのでございます。持ち主の『願い』と『幸せ』を・・・全て叶える海の宝の・・・。
続・陸の男と海の華へ / 陸の男と海の華へ
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